<脱線>技術文書的マラヤラム語

ちょっと脱線気味かも知れませんが。


仕様書翻訳をしていると、へんちくりんな日本語文に遭遇し、英語化不可能状態に陥ることが多々あります。一重に私の翻訳力不足なんですが、こんな時、もしただ単に単語を変えるだけで意味が通ったら、どんなに楽だろうか…と思ってしまいます。


うん、マラヤラム語なら可能かもしれない。技術仕様書の超直訳。だって、語順ほぼ一緒じゃん?


と思ったのもつかの間、さっそく壁にぶち当たりました。簡単そうで、微妙に違う。
しかし、中学含めかれこれ十数年で慣れたはずの英語と、たかだか二年そしてほぼ勉強手つかずのマラヤラム語、この自信がどこから出るのか根拠無いけど、確実にマラヤラムの方が通じる文章が書けそうな気がする私。


そ、それはそうと技術文書はやたらと受動態が多い。ファイルが削除されるだの、メッセージが表示されるだの。技術文書に限らずとも、実は日本語は受動態の使用頻度が高い言語。特に迷惑の受け身と呼ばれる「雨に降られた」など自動詞の受け身形用法は言語学的に見ても日本語の特徴であり…って日本語学のクラスじゃないよ。
で、一方のマラヤラム語、文法的に受け身は存在するが、日常余り使用されていない。では、どうなるのかと申しますと、どうやら「なりました」って言うらしい。
例)
メールが送られました mail send aayi. (sendになった)
ログが生成されました log undaayi. (あるになった)
ファイルが削除されました file delete aayi. (fileがdeleteになった)
なんて、単純なんだ!単純すぎて、マラヤラム語だけ聞いたら一瞬日本語の受け身文を忘れそうだ!!
(場合によってはaayiの代わりにcheythu「した」も使用可能。たとえばファイルが削除されたっていう行為が誰かによってなされると認識したら、理解ができるのでは。)
あ、上記の受け身用法は一応技術関連書類に関する範囲に制限いたします。念のため。


因みに今回上記受け身用法に訳してくれたのは、前勤務先の生徒ノビさん。パッと見が冴えなく、行動にしまりがなく、英語もマラヤラム語もちょっと田舎ーな感じのする彼ですが、実はとんでもなく語学センスがあるのです。言葉の感覚を掴んでくれる、と言うのかな。分析力もあります。よって、日本語クラス終了後完全に日本語に接点がない日々を送っているにも関わらず、普通初級修了レベルの学生が忘れがちな文型や語彙を自然に会話で使ってみせる。私が「そんな単語教えたっけー?」と忘れかけているのですら覚えていたりする。すげーなぁ。いかんせん日本語の発音も英語と同じく超マラヤラム訛りなのが残念なのですが…
でまぁと言う訳で、語学センスがあり、分析力がある人には、マラヤラム語の質問も投げかけやすい。ただ単に暗記力と若さでカバーして来た人たちとは違う。私が聞かんとしている部分を理解できるし、的確な答えが返ってくるのだ。日本語学習者ではないけど、総務のジョイラルさんも分析センスあるなぁと思う。ま、彼の場合は文法に限らず、か。


あぁどんどん脱線して行く。本当はちょっとノスタルジックに終わる予定だったのに、どこで途を間違ったかな?


気が向く範囲で、一週間ぐらい日マ技術翻訳をちょろちょろやってみます。きっとネタになるぐらいの何かは収穫できるでしょう。